神様の裏の顔
神様のような清廉潔白な教師、坪井誠造が逝去した。その通夜は悲しみに包まれ、誰しもが涙した。……のだが、参列者たちが「神様」と偲ぶ中、とんでもない疑惑が。実は坪井は、凶悪な犯罪者だったのではないか……。坪井の美しい娘、後輩教師、教え子のアラフォー男性と今時ギャル、ご近所の主婦とお笑い芸人。二転三転する彼らの推理は⁉︎どんでん返しの結末に話題騒然‼︎
第34回横溝正史ミステリ大賞〈大賞〉受賞の衝撃ミステリ!
2016年発刊の「藤崎翔」のデビュー作。2017年、スマホゲームにハマり始めて読書するのが億劫になった時「リハビリ」として読破した作品。
登場人物の「一人称」で語られるエピソードが複雑に絡み合いながら起承転結していくストーリーは見事だと思います。
まだ映像化されて無いようなので、期待して待ちたいですね。
僕らのごはんは明日で待ってる
兄の死以来、人が死ぬ小説ばかりを読んで過ごす亮太。けれど高校最後の体育祭をきっかけに付き合い始めた天真爛漫な小春と過ごすうち、亮太の時間が動きはじめる。やがて家族となった二人。毎日一緒に美味しいごはんを食べ、幸せな未来を思い描いた矢先、小春の身に異変が。「神様は乗り越えられる試練しか与えない」亮太は小春を励ますが……。
2016年文庫刊行。作者は2019年の本屋大賞受賞作「そして、バトンは渡された」の「瀬尾まいこ」。
こちらは娘の蔵書を処分する前にちょっと読んでみようか…と思った作品。まぁ読みやすいですかね…個人的には好きなジャンルではありませんが…。
裏表紙の解説文などを読まずに進めた方がベターかも?…結末を予想しない方が盛り上がりますね。
登場人物の深刻な問題を何かに包んで印象が深刻になりすぎない作風が好感が持てました。
2017年に映画化されましたが未だ未視聴。キャスティングも自分好みなので、機会があれば是非観てみたいです。
ランチ酒
犬森祥子、バツイチ、アラサー、職業は「見守り屋」。営業時間は夜から朝まで。様々な事情を抱える客からの依頼で人やペットなど、とにかく頼まれたものを寝ずの番で見守る。そんな祥子の唯一の贅沢は、夜勤明けの晩酌ならぬ「ランチ酒」。別れた夫のもとで暮らす愛娘の幸せを願いながら、束の間、最高のランチと酒に癒される。腹の底から生きる力が湧いてくる、絶品五つ星小説!
「一橋桐子(76)の犯罪日記」「三千円の使いかた」など近年ドラマ化された「原田ひ香」作で2017発刊、2020年文庫化のベストセラー。
題名から以前より興味を持った作品ではあったが、お目当ての「グルメ小説」とはちょっと違っていたようだ。この国での一般的な生活スタイルでは「贅沢」(悪い意味かな?)な「ランチ酒」を好きで楽しんでる訳ではない主人公…やっぱり好きで楽しんでるのか?…と、そんな曖昧感がいいと思います。
読了後の感想は…武蔵小山の「肉丼」が食べたい…かな?
あれ、ちゃんと「グルメ小説」してるじゃん!
次回作も近いうちに読破したいと思います。
鮫島の貌 新宿鮫短編集
新宿署に異動直後、上司となる桃井と鮫島との出会い。飛び降り自殺を図ろうとした少年と関わる晶。鮫島の宿敵・仙田、鑑識官の藪……。シリーズに登場する個性的な人物たちの意外なエピソードから、人気コミックの主人公である両津勘吉や冴羽遼との共演まで。孤高の刑事・鮫島の知られざる一面が垣間見える短編が勢揃い。「新宿鮫」にしかない魅力が凝縮された全10作品。
今回は…1日で読了してしまった…
10年前の2012年に刊行(文庫化は2015年)された本作をようやく読み終えました。
「新宿鮫」を読み始める当初、「冴羽遼」みたいな主人公を想定していたら…全然違った事を思い出しました。でも、この作品での共演で「モチーフの一つ」となったのでは?…と個人的に感じました。そして「両津勘吉と藪」「香と晶」などの「夢の共演」もまた、ごく自然な物語になっていると思います。
次作「新宿鮫Ⅺ 暗約領域」も既に文庫化されました。主要人物が退場し、新たなステージとなる「鮫島」の活躍が楽しみです…が、(まだ未読な文庫が40冊あるので)読み始めるのはもう少しかかりそうです。
スマホを落としただけなのに
麻美の彼氏の富田がタクシーの中でスマホを落としたことが、すべての始まりだった。拾い主はスマホを返却するが、男の正体は狡猾なハッカー。麻美を気に入った男は、麻美の人間関係を監視し始める。セキュリティを丸裸にされた富田のスマホが、身近なSNSを介して麻美を陥れる凶器へと変わっていく。一方、神奈川の山中では身元不明の女性の死体が次々と発見され……。
2017年発刊の本作品は「このミス大賞2017年隠し玉」を受賞、映画化もされ、更に続編も作られました。
数年前、どうにも読書が進まない「スランプ」だった時、リハビリとして読んでいた作品なのでスラスラ読了できました。
いつもは「映像化→原作」の手順ですが、これは「原作」を先に読んだ記憶があります。
続編でのキャラクターの動向もちょっと気にはなりますが、個人的には…ですかね?