怪盗探偵山猫
闇を切り裂く黒い影、その名は、山猫ーー出版社社長が殺された。容疑者は “山猫” と呼ばれる謎の窃盗犯。世間をにぎわすこの怪盗の信条は "人を殺めないこと“ のはずが、一体なぜ ⁉︎ ライターの勝村は事件を追い始めるが・・・・⁉︎ 平成のねずみ小僧か、はたまた単なる盗人か ⁉︎ 鮮やかに金を盗み、ついでに悪事を暴いて颯爽と消え去る山猫の活躍を描く、痛快ピカレスク・アクション・ミステリー。怪盗界に新たなヒーローが誕生 ‼︎
現在、日テレ系にて絶賛ドラマ放送中の「怪盗探偵山猫」読了してしまいました。だって「信長燃ゆ」よりも絶対的に読み易いんですもの。
こちらは2006年に表題「山猫」として発刊、2010年に「怪盗探偵山猫」に改題されたました。作者は「神永学」、代表作には以前ドラマ・アニメ化された「心霊探偵八雲」があります。その他、シリーズ物がいろいろあるようですね。
ストーリーは、「語り部」的なライターの「勝村」が主人公「山猫」にイジラレながら事件に巻き込まれ、そこにヒロイン「さくら」が絡む……という流れなのですが、ドラマと違って「勝村」と「さくら」の「先輩・後輩」関係が逆設定になってるんです。私の勘繰りによると(今作には登場しない)ドラマ版ヒロイン「魔王=真央」役の「すずちゃん」押し……ということで、ドラマ的には「さくら」を目立たせないようにした……ような気がします。
でも、ヒロイン「さくら」を活用しないのは勿体無い気がしますので、ドラマは無理でも「劇場版」あたりで、「菜々緒」嬢のサイレーン並みの激しいアクションを観てみたいですわぁ。
最後に、今作品は登場人物のキャラは立ってるし、ストーリーも面白いので、スラスラ読めちゃう感じでオススメです。
でも、私自身は本作品でとりあえず止め置くことにいたします。続刊2巻と近日中に最新作も発売されるようですが、シリーズ物は出来ることなら増やしたくないものですのでね。
2016年2月12日 読了 個人的評価:⭐️⭐️⭐️⭐️
もう一方の「信長燃ゆ」も終盤に差し掛かっております。今月はノルマの5冊は達成できそうですね。
そして、次の作品は………
日テレ系ドラマの流れからの……
有栖川有栖「臨床犯罪学者・火村英生の推理 1」を読みたいと思います。
そういえば日テレ系ドラマ3作品で、「カメオ出演」企画があるようですね。
視聴率では(相棒を除いて)草彅の「スペシャリスト」に続いて日テレ系3作が並んでいるようですね。個人的にも推理・ミステリー系は好きなジャンルなので全作品チェックしてますよ。
おかげで時間がないけどねー。
ではまた、次回。お楽しみにー。
メルカトルかく語りき
傲岸不遜(ごうがんふそん)で超人的推理力の探偵・メルカトル鮎。教師殺人の容疑者はメフィスト学園の一年生、二十人。全員にアリバイあり、でも犯人はいるーーーのか? 相棒の作家、美袋三条(みなぎさんじょう)は常識破りの解決を立て続けに提示する探偵に“怒り”すら抱く。ミステリーのトリックを嘲笑い自分は完璧とのたまう”銘“探偵の推理が際立つ五篇!
〇んだはずだよ、「お富さん」ではなく「メルカトル」〜 ♪
今回は麻耶雄嵩「メルカトルかく語りき」を(やっとこさ)読了いたしました。この本に辿りつくために「2冊」読みこなしましたからねぇ。その為か、「メルカトル節」に免疫がついたようです、ハッハッハー。
主人公の「メルカトル鮎」は「名」ではなく「銘」が付く探偵。あまりの推理力に「登場した時点で解決」してしまうが故に、登場は「短編」に限られるようです。そして今回も秀逸(と言って良いのか?)な五つの短編で、結末が何やら似通っているものを集めたようです。
完全に「騙されている」ような結末なのにストーリー構成が見事なので、なんかスッキリしたような、しないような〈麻耶(まや)だけにマヤマヤっととした感じ〉の読了感でしたね。
それに、デビュー作で◯亡したはずの主人公なのに、シリーズが続いていくなんて……どうなんでしょうか? まぁ 面白ければオッケーなんですかね。
2016年2月4日 読了 個人的評価:⭐️⭐️⭐️(トリッキーな結末がお望みでしたら+⭐️)
前回 読み終えた「信長燃ゆ」ですが、並行して読んでいる「下巻」は、現在三分の一を過ぎたくらい。面白いのですが、ページが多くてなかなか進みません。まぁ 来週中には読破できるとは思いますがね。
そして、それと並行してのこちら……
今期 日テレ系ドラマの原作「怪盗探偵 山猫」と「臨床犯罪学者・火村英生の推理」も読破予定です。どちらも続巻があるようですが、今回は「さわり」だけに止めておきたいと思っています。
それではまた、次回。お楽しみに。
信長燃ゆ (上)
新年1月2日にテレビ東京系にて放送した新春時代劇「信長燃ゆ」の原作小説、とりあえず「上巻」読破いたしました。作者の安部龍太郎氏は2013年に直木賞を受賞。私の敬愛する隆慶一郎氏が「最期に会いたかった人物」だったとのこと。初めて作品を読みましたが、個人的には「肌に合う」感じ。機会があれば他の作品も読んでみたいですね。
ストーリーは、梟雄「織田信長」と朝廷を支える「近衛前久」の類い稀なる才能を持つ2人の熾烈なる「駆け引き」に、ヒロインの東宮(今で言うと皇太子妃ですかね)「晴子」と信長のロマンス。そして、愛する者を奪われた復讐鬼「風の甚介」が絡んでくる……という流れです。
上巻のスタートからいきなり「本能寺の変」の結末、その後「回想シーン」的に都での「左義長(ザックリ言えば「どんど焼き」らしい…)」からの、「天正伊賀の乱」、そして、「武田討伐」へ……という感じで「下巻」へとつながります。
印象深い箇所は、「天正伊賀の乱」のくだり。ドラマでは大幅にカットされましたが、伊賀忍者軍はかなり信長軍を苦戦させたようですね。「のぼうの城」の作者、和田竜氏の「忍びの国」で、このことを題材にしているようなので、いつかこちらも読んでみる予定です。
もう一つは、ドラマでは描かれなかった、坂東一の馬乗り「矢代勝介」の娘で、同じく馬の名手「お駒」と前久の嫡男で信長に心酔している「近衛信基」の悲しい恋の結末も印象深いシーンでしたね。
さて、この後下巻ではどのような流れで「本能寺の変」まで繋がっていくのでしょうか……
2016年1月28日 読了 個人的評価:⭐️⭐️⭐️(歴史物好きなら+⭐️)
その真田丸、第1話しか観てませんが、どうしても「リーガルハイ」のイメージが捨てきれない印象。兄貴役の大泉洋の方が「凛々しく」て、果たしてどうなのか?……というのが一般的な感想でしょう。まぁ、大泉氏は「まれ」での「ダメ親父」イメージを払拭できそうなので良いのかもしれませんがね。
そして現在、「信長燃ゆ 下巻」と同時に読み進めているのが、こちら……
麻耶雄嵩「メルカトル かく語りき」です。現在 二章まで読みましたが、相変わらずの「メルカトル節」炸裂です。
1月は欲望に負けて、「絶対手を出さない」と決めていた「スマホゲーム」をダウンロードしてしまったが為に、「4冊」という不甲斐ない読了結果となりました。
スマホゲームも若干落ち着いてきたようなので、次回からは「月5冊」ペースに戻れる……と思います。
それではまた、次回。ごきげんよう。
SOSの猿
悪魔祓いをする「私の話」と、株誤発注事件を語る「猿の話」が交互に語られ、最後に「融合」する……という流れですね。正直言って「なんじゃこりゃ!」です。細部を思えば「うーん、なるほど」と思う箇所はありますが、全体的には何が何だかわかりません。「あとがき」を読んだら、この時期の伊坂作品は「肩すかしもの」とか「モヤモヤシリーズ」とか言われているみたいです。
(ブログを始める前ですが)今まで読んだ伊坂作品「重力ピエロ」「ラッシュライフ」「ゴールデンスランバー」など「映画化」された作品は(そこそこ)面白かったですが、独特の世界観がありますね。ちょっとズレると今回のような………な感じになるのでしょうかね。
2016年1月12日 読了 個人的評価:⭐️(伊坂好きでも評価が低いみたいです)
伊坂作品は、あのノーベル平和賞候補作家「村上春樹」氏に似てると誰かが言ってましたが、私も「同感」です(とハッキリ言えるほど両者の作品を読んでませんが)。村上作品は「ノルウェーの森」を読んで………でした。次に村上作品を読むときがあるなら、氏がノーベル賞を獲ったときですかね?
まぁ これからも伊坂作品は「読まざるを得ない」状況ですが、どうか「ハズレ」に当たりませんように……。
そして次回は、テレビ東京「新春(ワイドじゃなくなった)時代劇」原作の……
阿部龍太郎「信長燃ゆ」です。阿部氏の作品は読むのが初めてなので、どんな感じか楽しみです。
それではまた、次回。お楽しみに〜。
風が強く吹いている
2006年発刊後、2009年に文庫化。漫画化・ラジオ・舞台、そして実写映画化された人気作品です。銭湯の帰り道にハイジは「走りの申し子・カケル」と運命的な出会いをする。そしてオンボロアパート「竹青荘(ちくせいそう):通称 アオダケ」に住む住民を巻き込み、無謀にも「箱根駅伝」を目指すと宣言する。バラエティあふれる10人の仲間と箱根駅伝に向けて猛特訓に励むも、前途は多難……。果たして、夢の箱根駅伝に出場できるのか?………という流れでしょうか。
九章からの箱根駅伝の「くだり」からは、250ページ ノンストップで読んじゃいますよ。まるで「実況中継」を観てるみたいに。
特に私の地元「小田原・箱根」の5・6区のあたりは「ほーほー」てな感じで、「えー、選手ってこんなに大変なんだ……」なんて感心したりして。(人数が少ないからかもしれませんが)電車や路線バスを使って「走り終えた選手」や「次の日走る選手」がサポートするなんて、普通に観てたらわかりませんよね。
そして、「恋」やら「友情」やら「感謝」などが入り混じって、最後は感動の「ゴール」が待ってます。
あぁー、やっぱり 正月前に読むんだったなぁ。
小暮写眞館(下)
人の想いは思いもかけない場所に現れることがある。たとえば写真とか。英一の小学生の弟、光(ピカ)の様子がおやしい。友人のテンコによれば、彼は写眞館の元主、小暮さんの幽霊に会いたいのだという。そして垣本順子、英一と家族、各々が封印してきた過去が明らかになる。
読書の喜びがここにある。感動の結末へ。
2016年 あけましておめでとうございます。本年も「ミーハー的」な読書を「マイペース」でいきたいと思います。改めて申し上げますが、基本的には「文庫本」なので、本当の「読書ファン」の方には「全く無意味」なブログです。「今更感満載」ですのでご了承下さいませ。
てな訳で、またまた「上下巻で年越し」してしまいました。まぁこのタイミングじゃないと、読めませんでしたけどね。
無駄話はこれ位にして、宮部みゆき「小暮写眞館(上下巻)」 読了です。下巻はドラマの2話と最終話にあたるエピソード。ドラマ版では語られなかった部分を小説が、小説ではサラッと流した部分をドラマが、それぞれ補強し合っての相乗効果が発揮されていますね。是非 ドラマ版も観た方が楽しめます。
この作品の素晴らしさは「人のダークな部分を扱って」いても「ハッピーエンド(ぽく)」なっている、しかも「嘘くさくない」という事だと思います。普通「ダーク」を扱うと作品も「陰惨」になり「後味の悪い」作品になります。それが「ハッピーエンド」だと「嘘くさく」「薄っぺらい」物語になりますよね。
現実で起こりうる「不幸」から心を救えるのは「立ち向かう強さ」ではなく、「弱々しく」「何処にでもあるような」他人からの「親切」や「お節介」……かもしれないし、「親切」や「お節介」をした側の「生きる力」や「喜び」になっているのかもしれない……なんてことを感じちゃいました。
前回も書きましたが、グイグイ引き込まれる感じではなく、「読んでいる状態が自然」と感じるような作品です。こういう面白さもあるんですね。
最後に、カバーの「ローカル線の景色」も機会があれば見てみたいなぁ……なんて思いました。
2016年1月5日 読了 個人的評価:⭐️⭐️⭐️⭐️(宮部みゆき、再認識しました)
巻末の解説を読んだとき、「何故 宮部みゆき作品を最近 読まなかったのか」「何故 代表作で名作と言われてる「理由」「火車」「模倣犯」を読む気にならないのか」が理解できました。自分なりの「宮部みゆき」イメージが「あまり良く無かった」ということなのですね。現実でも、陰惨な事件が次々 起こっているのに、小説でまで「追体験」したく無かったのですね。
作者自身も「現代ミステリー」よりも「時代ミステリー」に傾斜していたらしく、「現代モノ」を書くことに物凄くエネルギーを消費してしまい、次を書くまでに「かなりの充電」が必要らしいです。読み手が披露する以上に書き手もそれ以上に疲れるのでしょうね。
それでも今回、作者の文章力レベルの高さには脱帽ですね。絶妙な言葉遣いとテンポは、(今更ながら)日本トップレベルの作家だと再確認いたしました。今後、代表作の「理由」「火車」「模倣犯」の3作に挑戦したいと思いますが……こちらも若干「充電」が必要ですかね。
そして、次の読破作品は、去年、いや一昨年から読もうと思っていた こちら……
それでは、また次回。お楽しみに。
小暮写眞館(上)
ブログアップが遅れて、ついに大晦日になってしまいました。もしかしたら2015年最後の投稿になるのか……?
てな訳で、ブログ開始してからは初めての宮部みゆき作品です。「ブレイブストーリー」以来ですから、結構なご無沙汰です。この「小暮写眞館」は2010年に文庫書き下ろしでの発刊、その年の「週刊文春ミステリーベスト」で国内7位にランクイン。そして2013年に「神木隆之介」主演でドラマ化され、今年の8月に再放送があり、その録画をつい最近に観終えてからの読書スタート……という流れなんです。
古い写眞館に引っ越したお陰で「謎の(心霊)写真」の解決を依頼される主人公。普通の高校生なのに、巷では「心霊写真バスター」と噂されることになります。
上巻はドラマで言えば1話と3話のストーリー。「家族間の葛藤」や「大事なひとへの想い」など、日常に隠れている様々な「暗部」が、踏み込むごとにハッキリ見えてきます。
主人公は「まぁ いっか」と呟きながら、その「暗部」に触れる事で人間的に成長していきます。
そして、それを取り巻くキャラクターのバランスが絶妙なのは、さすがですね。
作者が書いた現代を舞台にした小説では「初のノンミステリー」らしく、代表作の「理由」や「模倣犯」で描いたような事件はもう書きたくないという気持ちが表れた作品である……とインタビューに答えています。
グイグイ引き込まれる感じではないので、読了ペースは上がりませんでしたが、「いつも歩いている道端で、季節の花が咲いているのを見つけた」ような小さな「面白さ」が散りばめられている作品です。
2015年12月27日 読了 個人的評価:⭐️⭐️⭐️⭐️(じわっとくる面白さですよ)
いやー、「上下巻」合わせると薄めの小説「3冊分」の厚み。さらに年末の忙しさも加わり、読破予想数「69」をクリアー出来ず 残念無念 です。
そして、年内ラストになるか? ならぬか? 次回は………
もちろん下巻。なんと上巻より厚みがありますよ。現在 最終章に突入はしていますが、本日中に読了できるかは微妙……。もちろん ブログ更新は不可能な状況ですね。
去年と同様、年をまたいでしまいそう。完全に読み間違いでした。
でも、「花ちゃん」風に「まぁ いっか」……ですね。
それではまた、次回⁈ それとも、来年! よろしくお願いします。