翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件
首なし死体、密室、蘇る死者、見立て殺人・・・・・・。京都近郊に建つヨーロッパ中世の古城と見紛うばかりの館・蒼鴉城(そうあじょう)を「私」が訪れた時、惨劇はすでに始まっていた。二人の名探偵の火花散る対決の行方は。そして迎える壮絶な結末。島田荘司、綾辻行人、法月綸太郎、三氏の圧倒的賛辞を受けた著者のデビュー作。
1991年 刊行、2012年文庫化の「麻耶雄嵩(まやゆたか)・翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件」読了です。いやぁ 思えば久しぶりのミステリーでした。小学生の頃は「江戸川乱歩」、中学では「横溝正史」(角川映画の金田一シリーズがブームでした)、高校では「アガサ・クリスティ」を制覇しようと、第1作から読み始めるのですが…いつも挫折。最高で8作品くらいが限界でしたねぇ。しかも内容はほとんど覚えないときたもんだ…。多分 そこまで「探偵物」が好きじゃないんですよね、きっと。そういえば、ここ最近は「刑事物・警察物」を好んで読んでいるような…。まぁ「探偵物」も読み始めると「そこそこ」ハマりますね。
現在のミステリー作家・三氏が絶賛しているように、素人目でみても「全くデビュー作」とは思えません。あとがきの言葉を借りれば「連続で投げられる感覚」とでも言いましょうか…序盤を過ぎれば「坂を転げ落ちる」ように読み終わってしまうと思います。
「香月」の視点でストーリーは展開します(これが若干 反則技 なんですがね)。中盤以降の「名探偵・木更津悠也」と題名の「メルカトル鮎」との「火花散る」推理対決。そして、衝撃的な「ラストシーン」は、マジで「!(◎_◎;)」な結末になってます。
日本探偵小説史上「三大奇書」「三大アンチミステリー」の一つである小栗虫太郎・黒死館殺人事件の「オマージュ」らしく、随所に「そのパロディ」が登場しているようですが、(未読なもので)全く分かりませんでした。あとは「エラリー・クイーン」なんかも読んでないと本当の意味で楽しめないようです。
この作品は最新刊「メルカトル鮎 かく語りき」を読む為の準備で読了したのですが、はっきり言って全然準備になりませんでした。だって「メルカトル」が◯◯しちゃうんですよ、全く。
なので、もう一冊「メルカトル鮎」関係を読む事になりそうです。やれやれ…
2015年11月24日 読了 個人的評価:⭐️⭐️⭐️⭐️(読む価値はあります…読む余裕がある方は)
旅先で、しょうがなく新刊を購入。最近注目している作家・月村了衛の「御子神典膳」をチョイス。
序盤まで読みましたが、もう「オレ好み」の作風です。のめり込むとすぐに読了しそうなので「じっくり」読み進めたいと思います。
それではまた、次回。お楽しみに。