鴨川食堂 おかわり
忘れられない、でも二度と味わうことのできない一皿。京都・東本願寺近くにひっそりと佇む食堂では、そんな記憶の中の味を再現するという。
確執がある父のレシピを知りたいシングルマザー、恋人に過去を告白するため、子供時代の焼飯を捜すモデル、故郷に帰る決意を固めようと、かつて味わった天丼を求める一発屋と呼ばれた歌手……。
元警官で料理人の鴨川流、娘のこいし、トラ猫のひるねのもてなしは、人生に迷える人々の背中をやさしく押し出す。心もお腹も温まる、美味しいミステリー、第二弾!
前回に引き続き、シリーズ第二弾「鴨川食堂 おかわり」読了です。ドラマか化された3話とその他の3話の計6話という構成。今回もかなり「お腹が空く」内容でございました。
ストーリーは、「食」を捜すゲストが、まずは食堂に辿り着き、(ゴージャスな)「おまかせ料理」を食べてから、食捜しの依頼をして、2週間後に「種明かし」……という流れでしょうか。
まずゲストが食べる「おまかせ料理」の内容にビックリ。これだけの物を食べたら「いったい幾らなんだろう?」なんて本気で考えちゃいますよ。その他の常連は「ラーメン」みたいな感じで食べてるのに「実際やっていけるのか?」……なんて野暮な考えしちゃいますね。まぁ 「フィクション」ですからね。
今回の一番印象に残ったのはドラマ化もされた「ハンバーグ」の話ですかね。前作以上のインパクトは無かったかなぁ。
あと、ドラマの本筋だった「流の過去」のくだりは今回も語られていません。平和な親子関係は維持されてましたよ。
2016年5月16日 読了 個人的評価:⭐️⭐️⭐︎(食いしん坊にはプラス⭐️)
そしてこの後は………、
順当に第3作目「鴨川食堂いつもの」です。本当は「ドラマ第二弾」を待ってから……とも思いましたが、「大手某通販 」で古書が安くなっていたので即注文致しました。
最近、いろいろサボっている「読書」ですが、もう少しペースを上げなきゃ……と思っております。
あと、ブログを書くのもサボりがちになってますね、なんとかしなきゃ。
それでは、また次回。お楽しみに〜。
コルトM1851残月
残月の郎次ーーーー昼は廻船問屋の番頭、夜は裏金融を牛耳る儀平一味の大幹部。組織の跡目と目された彼の運命は、ある殺しを機に暗転した。裏切られ、組織を追われた郎次は、屈辱の底で江戸の暗黒街に絶望的な戦いを挑む。その切り札は存在すら知らぬ最新式のコルト六連発! 硝煙たちこめる大藪春彦賞受賞作。解説・馳星周
2013年発刊、2016年4月に文庫化ホヤホヤの月村了衛「コルトM1851残月」読了です。2010年に脚本家から小説家に転身し、代表作「機龍警察シリーズ」や「土漠の花」は数々の賞にノミネート及び受賞している新鋭は、この作品で2014年の「ハードボイルド小説」「冒険小説」のカテゴリーから選ばれる「大藪春彦賞」を見事受賞致しました。そして、その後もヒット作を連発しております。
さて、この「コルトM1851残月」ですが、主人公はなんと「悪党」。いわゆる「ノワール」な作品なのです。
幼い頃、父親から殺されかけた主人公「残月の郎次」は、江戸の暗黒街を牛耳る「儀平」に拾われる。親のように育ててくれた「儀平」もまた、自ら我が子を「手にかけた」男だったのである。
郎次は自らが持つ最新拳銃「コルト」を使い、組織の「跡目」とも目されるまで登りつめる。しかし、「」を殺した事で、組織に裏切られ死の寸前まで追い詰められる。「ある女」のおかげで命拾いした「郎次」は切り札の「コルト」を手に復讐を誓う………といった展開でしょうか。
まぁ今作品の時期には、そんな「連射できる短筒」が存在するとは夢にも思わなかったでしょうね。
序盤は、あまりにも主人公らしくない「悪党の」郎次に感情移入し難いのですが、中盤あたりから展開が加速していき、「騙し騙され」の連鎖とスピード感ある「ガンアクション」で最後までグイグイ読み進んでしまいました。
伏線の回収が未完全(だと思う)なのは、読者の想像におまかせする……といったところでしょうかね。
1つだっけ「難点」を挙げるとすれば、「善右衛門」やら「利兵衛」やら「段右衛門」やら…登場人物の関連がイマイチ頭に入りにくいところでしょうかね。はじめに「人物解説」した方がいいと思いますよ。
2016年5月7日 読了 個人的評価:⭐️⭐️⭐️(主人公に感情移入できませんね。悪党嫌いだし)
月村作品は通算3作目。ブログ開始からは前回の「神子上典膳」に次いで2作目です。そして来月(2016年6月)には「黒 警」も文庫化されるようです。あと、予想ですが、人気の「機龍警察シリーズ」は来年一気に文庫化されるとふんでいます。多分「発売元」で色々あるんじゃないかな……なんて思ってますけどね。
さて次回ですが、映画「64」とのタイアップで……、
それでは、また次回。お楽しみに〜。
鴨川食堂
鴨川流と娘のこいし、トラ猫のひるねが京都・東本願寺近くで営む食堂には看板がない。店に辿り着く手掛かりはただひとつ、料理雑誌『料理春秋』に掲載される〈鴨川食堂・鴨川探偵事務所ーーー"食"捜します〉の一行広告のみ。
縁あって辿り着いた客は、もう一度食べてみたいものに出会えるという。夫の揚げていたとんかつを再現したいという女性、実母のつくってくれた肉じゃがをもう一度食べたいという青年など、人生の岐路に立つ人々が今日も鴨川食堂の扉を叩く。寂しさも辛さも吹き飛ばす、美味しい六皿をご用意しました。京都のカリスマ案内人、初の小説!
今年の1月にNHKBSにてドラマ化された「鴨川食堂」の原作小説、多少時間がかかっての読了でした。(録画をしていた)ドラマを見ながらの読破だったのですが、ドラマと原作の話の順序が異なるのでちょっと読み進めるのに難儀致しました。
物語は、京都にある「もう一度食べたい"食"を捜して食べさせてくれる"探偵 兼 食堂"」の話。依頼人本人が「忘れてしまった」もしくは「わからない」"食"を探し出して再現する……なんて、絶対「ムリ」ですよねぇ。私なら絶対に「キレます」よ。
この第1作ではドラマの「第1話から4話」と「6話」の原作が収録されており、「第5話」と「第7・8話」は第2作「鴨川食堂 おかわり」に収録されています。
先日、鎌倉観光の際にこの本の「鍋焼きうどん」のくだりを読んでいたら、無性に「うどん」が食べたくなり(結果的には蕎麦にしましたが…)、ある日は「鯖寿司」のくだりに影響されて仕事帰りに「鯖寿司」を捜して買って帰ったり……と、かなり「影響力」がある作品なので「空腹時」の購読には「注意が必要」です。
個人的にはドラマ化されていない「鯖寿司」の話が好きですね。ただ単に「鯖好き」なだけなんですけど。
あとは、ドラマの本筋だった「流の過去」のくだりは本作では語られていません。第2作以降からなのでしょうか……、気になるところです。
2015年4月21日 読了 個人的評価:⭐️⭐️⭐︎⭐︎
ドラマの主演だった「ショーケン」「忽那汐里」も違和感のないキャスティングだったと思います。あとは「ひるね」の名演技(?)も光ってましたねぇ。それと、話数が進むにつれて、季節が移ってゆく「京都の風景」も圧巻でしたね。
もう少しドラマの感想を語りたいところですが……、
第2作「鴨川食堂 おかわり」の読了後にしたいと思います。
早いもので、巷は「ゴールデンウィーク」に突入ですね。もう一年の「3分の1」が過ぎてしまいました。
それでは、また次回。お楽しみに。
生活安全課0係 ヘッドゲーム
杉並中央署生活安全課「何でも相談室」、通称0係に娘の死の真相を調べて欲しいという相談が持ち込まれる。今年だけで名門高校の女子生徒が二人、飛び降り自殺をしているのだ。0係の変人キャリア警部・小早川冬彦は相棒の万年巡査長・寺田高虎と高校を訪れるが、そのとき三人目の犠牲者が・・・・・・。KY刑事が鋭い観察眼で人を見抜くシリーズ第二弾!
富樫臨太郎「0係」シリーズ 第二弾 読了です。まぁ スラスラ読めた方ですが、最初に言っておきますが「前回の方が面白い」というのが本音です。
テーマ的には「KY警部 vs 美少女JK」という事なのですが、一般的な刑事・推理モノからちょっと「逸脱」しているような感じなんですよね。(誰かのレビューですが)「TV的には面白いかも」という意見もあるようですが「オカルト的結論」は 私個人は「NG」ですね。
でも、前回も書きましたが 「グロさ」は控えめで、キャラクター設定もしっかりとしているので、「シリーズ」の1つとして捉えれば、許容範囲ではあります。
今回から新キャラの妹「千里」の登場し、相棒の「高虎」との関係も面白くなってきたようです。
引き続き「第三弾」以降も注目したいと思います。「キラークイーン」もチラチラしてますしね。
2016年4月9日 読了 個人的評価:⭐️⭐️⭐️(前作の方が良かったので厳しめで)
そして「キラークイーン・近藤房子」が登場する別シリーズ「SRO」も現在 6巻+スピンオフ1巻が刊行されています。「0係」が落ち着いたら、そちらの方もレビューしたいと思います。
さて、次は順当に第三弾「バタフライ」……と思っていたのですが、
それでは、また次回。ごきげんよう。
あきない世傳 金と銀 源流篇
「みをつくし料理帖シリーズ」が完結してから1年7ヶ月ぶりに、高田郁の新シリーズ「あきない世傳 金と銀」が遂にスタートです。
ストーリーはと言うと……先月 終了した人気ドラマ「あさが来た」のような「女性主人公が男舞台である「商い」の場で成功していく」という流れになるのではないかと思われます。
そんなイメージで発売、即購入し読み始めたのですが………
朝ドラと違って、主人公がかなりの「苦境」に立たされ(若干 救われる部分も有るんですが)そのままラストまで続いて……次の巻ってな感じなんですね。そんな訳で読書ペースが上がらず苦労致しました。
末尾の解説に登場している番頭「治兵衛」を始め、「お家(おえ)さん」と呼ばれる大女将「富久」や王子様的存在の三男坊「智蔵」、それと一番近い存在になりそうな若女将「菊栄」など、主人公を助けるようなキャラクターも、「番頭」と「大女将」は頼りないし、後の2人は………となり、最後は「マジで こんな展開になる?」ような終わり方で、「ちょっと番頭はん、あきまへんで!」と物申したい次第であります。
主人公「幸」は前シリーズの主人公「澪」と同様に生真面目で頑張り屋の女の子。多分「ピンチ」に次ぐ「ピンチ」な展開になるとは思いますが、「ハッピーエンド」を期待して、静かに事の行方を見守っていきたいと思います。
願わくば、もう少しハッピーな展開を増やして下さいな。もう心配で寝れませんがな。
2015年4月4日 読了 個人的評価:⭐️⭐️⭐︎⭐︎
人気だった「あさが来た」ですが、2002年放送の「さくら」を抜いて今世紀最高視聴率「23.5%」という好結果でした。そして、その反動で「〇〇ロス」が続いているようです。特に「五代」「新次郎」の格好良さには、TVの前の老若女女はメロメロでしたね。私は「はつ」と「ふゆ」に夢中でしたけどね。
さてさて、次ですが……
こちらも1月クールに放送されたドラマの原作「鴨川食堂」。実はこちら、あと数ページで読了しそうなんです。
それと、同時に読み進めている富樫臨太郎「生活安全課0係」第2弾も既に読破済みなので、近日中にブログアップ致します。
最後に、
今現在でも九州 熊本近辺での地震被害は続いているようです。
恐れ多くて「頑張れ!」などとは言えませんが、早くの沈静化を、只々 祈っております。
せめて「地震」だけでもおさまってもらいたい……。
それでは、また次回。ごきげんよう。
生活安全課0係 ファイヤーボール
杉並中央署生活安全課に突如誕生した「何でも相談室」。通称0(ゼロ)係。署内の役立たずが集まる島流し部署だ。そこへ科警研から異動してきたキャリアの小早川冬彦警部。マイペースで、無礼千万な男だが知識と観察眼で人の心を次々と読みとっていく。そんな彼がボヤ事件で興味を示した手掛かり、ファイヤーボールとは? KY(空気が読めない)刑事の非常識捜査が真相を暴くシリーズ第一弾!
あっという間に4月ですね。このところ全然「読書」が進みません。スマホゲームにハマっているのが原因か……。
今回は富樫倫太郎「生活安全課0係シリーズ」第一弾「ファイヤーボール」読了です。こちらの作品は2013年発刊、2016年1月に文庫化されました。文庫化に際して第二弾「ヘッドゲーム」を同時発売、次の月には第三弾、そして今月は第四弾が発売予定となっております。
ストーリーは「KY(最近聞かないなぁ)」なキャリア警察官が優れた観察眼を駆使して「事件」を解決していく……という流れ。生活安全課、それも「なんでも相談室」なので「殺人」などではなく「これって事件?」のようなものもズバッと解決していくんですね。いろいろな「事件」が、結局は「一気に解決」となる結末は見事。作者の構成力には脱帽です。
まぁ 別シリーズ「SRO」の主人公「山根新九郎」とイメージが被っているような感じもありますし、キャラクターも「SRO」よりも若干「地味」な感じは否めませんが、今後の活躍(特にアンジーに注目)に期待したいところです。
そして、「SRO」シリーズのラスボス「キラークイーン」の影も見え隠れしたりして……。
これは最終的に「コラボ」的な結末も面白いかもしれません……が、とりあえず第二弾以降の作品も読み進めたいと思います。
最近 主流の「グロい」感じ…ではなく、会話が軽快で気持ちよく読める「警察小説」です。
2016年3月28日 読了 個人的評価:⭐️⭐️⭐️⭐️(グロくないのが良いですね)
そして今期クールのテレ東系ドラマ「刑事」ですが、「アンジー」と「課長」以外の「0係」の役名が違っていて、特に 相棒の「高虎」の設定が「虎三(とらみ)」という女性なっていたのはビックリです。
それと主演の「小泉孝太郎」は同時間帯の人気シリーズ「涙の刑事」でも重要なキャラクターを演じているので、個人的にはキャスティングは微妙でした。まぁ (大物俳優の)離婚問題なんかが潜んでいるかもしれませんので、今後はこの作品をテレ東「金8」のメインに育てていくのかもしれませんね。
さて、次は順当にいきまして……
シリーズ第二弾「ヘッド・ゲーム」を読みたいと思います。
そして、並行して読んでいる「金と銀」もそろそろ終盤に差し掛かります。
今月も予定数を読破できませんでした。
来月は頑張ろ〜!
それでは、また次回。ごきげんよう。
石の繭 警視庁殺人分析班
最近「探偵物」ばかりだったので、久しぶりの「警察物」は読みやすい。推理よりも犯人との駆け引きの方が個人的には興奮しますね。
今回の読了は、麻美和史「殺人分析班シリーズ」第1作目「石の繭」です。こちらは昨年 WOWWOWにて連続ドラマ化されました。「木村文乃」嬢が主演なのも私好みでしたね。
題名の「殺人分析班」とは、「今野敏」氏の「ST」のような特殊スキルの持ち主……ではなく、警視庁捜査一課の『十一係』の中の「予習・復習」が好きなメンバー……とでも言いましょうか、主人公の「如月塔子」を含む5人のメンバーのこと。日々の捜査終了後に「飲み屋」にて「犯行のスジ読み」をして、翌日からの捜査に繋げるという……「仲良しチーム」のことなんです。(今回はそれが裏目に出たりしてましたけどね。)
ストーリーは、「トレミー」と名乗る「知能犯」に手玉に取られる警察。犯行を防ぐには「トレミー」の指示に従うしかないという状況で主人公たち「殺人分析班」はどうやって犯人に近づけるだろうか……とういう流れです。
冷静に考えてみれば「意外と単純な犯行」なのですが、クライマックスは「一本取られた」という感じで、ありそうで無かったような展開がスリルに満ちていて秀逸だと思います。この事件の後の主人公「塔子」がどれだけ成長したのかも、このシリーズの読みどころ…かも。
それと、作者は「ドラマ化を想定してグロいシーンを控えた」と言っているように、(某苺夜のような)目を背けたくなるような描写はあまり無いようです(ドラマでは、結構 ありましたがね)。
という訳で、個人的には「続きが読みたい作品」と思いました。新作は「年一冊ペース」の様なので、次作が出たら次を読む…という感じで読み進めたいと思います。
今度は地上波で、是非 次回作の連ドラ化をお願い致します。フジの火曜22時あたりでね。
2016年3月15日 読了 個人的評価:⭐️⭐️⭐️⭐️(ちょっとオマケかな)
「刑事」「探偵」物が多かった今期クールのドラマですが、(相棒・科捜研を除けば)平均10%を超えたのは2つだけという寂しい結果。来期クールはどんなドラマがヒットするんでしょうか?
さて次回は、今期クールはテレ東系でドラマ化された ……
富樫臨太郎「生活安全課0係」シリーズを読みたいと思います。現在出ている3冊に加え、4月には新作も発売予定…らしいです。
それでは、また次回。ごきげんよう。