ミーハー的 読書日記

読了した本の主観的な感想 あれこれ

46番目の密室 臨床犯罪学者・火村英生の推理 Ⅰ

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英都大学社会学部の若き助教授、火村英生(ひむらひでお)。その明晰な頭脳で難事件を解決し、「臨床犯罪学者」と呼ばれている。そんな火村が心を許す唯一の存在は、大学時代からの親友である推理作家、有栖川有栖(ありすがわありす)。冬のある日、有栖川が大御所推理作家・真壁聖一の別荘に招かれたことから、2人は軽井沢を訪れることに。しかしなんと真壁自身が「密室」で殺される事件が起き・・・・・・⁉︎

さて、前々回の「山猫」に続き、現在日テレ系にて絶賛放送中のドラマ「臨床犯罪学者 火村英生」の原作を…という事で、最初はドラマ第1話の原作「絶叫城殺人事件」かとも思いましたが、やはり「火村とアリス」のデビュー作である「46番目の密室」を選んでみました。

この作品が発刊されたのは20年以上前の1992年。なので、作中には「携帯電話」などなどの記述がありませんし、「皇太子殿下と同じ歳」という記述があったりして……

ですが、ストーリーはミステリーとして一級品。以前読んだ「メルカトル」のような「ふざけた」結末ではないのでご安心を。まぁ「メルカトル」の場合は「ワザと」なんでしょうけどね。

それと、「作中の語り部」と「作者」が同じ「有栖川有栖」なのは、読者が「キャラクター」と「作者」を覚えやすいように配慮したとか、もう1つ「妙名」を捻り出すのが面倒だったとか、まぁ そんな感じだったらしいですよ。(詳しくは今月発売の「ダヴィンチ」に特集されてますので読んでみては。)

こちらも「山猫」と同様、「後ろ髪ひかれ」感はあるのですが、シリーズ物を増やしたくないこともあり、特別な事がない限りは一歩引いた感じでいきたいと思います。

ですが、漫画「金田一少年」や「BL」系作品が好きな方にはオススメいたします。


2016年3月7日 読了 個人的評価:⭐️⭐️⭐️(若干厳し目かも)


日テレ系「火村英生」「ヒガンバナ」、テレ朝系「相棒」「科捜研」「スペシャリスト」、テレ東「生活安全課0係」と今回のドラマクールは「大推理合戦」と呼べるほど「似通った」作品が多かったですね。

それに乗ってこなかったフジはなんか「暗重」なイメージでしたね。現実味があり過ぎる「若者像」や美女の「殺人」を「羊が追う」などなど…、ちょっと怖くて観るのを躊躇う作品ばかり。「親父」と「カレ」が「同じ歳」ってどういう「テーマ」ですかね。理解に苦しみます。

今回のドラマで一番安心して観れたのは深キョン&ディーン様でしたね。セリフの「アホさ加減」が絶妙で、ディーンの俺様ぶりに女子たちはキュン死状態だったのではないでしょうか。

さて、もう一方の「吉原裏同心3」も読破完了しておりますので、近日中にアップいたします。


そして次回は、現在読破中のこちら……

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麻見和史の殺人分析班シリーズ「石の繭」を読了中。

WOWWOWのドラマは結構「グロかった」ですが、大好きな「木村文乃」嬢が主演なので、とりあえずチェックいたします。


それではまた、次回。カミングスーン!

信長燃ゆ (下)

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「王権守護」ーーー 甲斐武田家を滅ぼし、さらに勢力を増した信長は、いつしか朝廷の禁忌に触れつつあった。ついに信長への離反を決意する前関白・近衛前久。朝廷に身を置きながら、信長と深く結びついてしまった東宮夫人・晴子。信長というあまりにも大きい存在に畏怖と動揺を隠せない明智光秀羽柴秀吉。周到な陰謀が、天下人を追いつめはじめ、すべての意思が本能寺へ集結する。

新年に読み始めた「信長燃ゆ」。難産でしたがようやく読み終わりました。誤解の無いように言いますが、決して「面白く無かった」訳ではありません。むしろ面白かったですよ。唯、馬鹿な私が禁断の「スマホゲーム」なんかダウンロードしたばっかりに………。結構ハマると止められないですね。

さて下巻は「武田家滅亡」と「恵林寺焼き討ち」によって、「信長」と決裂することを誓う「前久」が「光秀」を籠絡して「本能寺の変」を起こさせる……という流れ。「前久」「信長」「晴子」「光秀」のリレー的な「 目線」でストーリーが語られます。

本能寺の変」といえば、ネットで人気の「激しいダンス」………ではなく、「信長による光秀へのイジメ」が原因と思われ(教えられ)てましたが、(あとがきによると)なにやら「黒幕」がいるらしい……という説が現在では主流みたい。

そう考えれば、この物語の「近衛前久」黒幕説が最も有効な感じがしますね。ある時は「上杉謙信」と盟約を交わし、またある時は従兄弟の「足利義輝」と共に幕府復興を画策し、そして「信長」の最大の脅威であった「石山本願寺」「一向一揆」などの「宗教」との争いも、裏には「前久」が糸を引いていたということらしい。「信長」にとって唯一無二の「ライバル」だったことは間違いないようです。

もし「前久」がいなければ「信長」の天下布武はもっと容易だったかもしれませんし、「延暦寺焼き討ち」などの「信長」にとっての「イメージダウン」だった出来事も起こらなかったかもしれません。そう考えると、「才能があること」ってちょっと「怖い」なぁ……なんて思っちゃいました。

物語の最後は「本能寺の変」が起こる「直前」で終わっているので、そのまま「上巻」序盤のシーンを読みたくなるという「無限ループ」状態。「上巻」の序盤を再読したら、結構「情感」が違いましたね(って、シャレじゃありませんよ)。


2016年2月19日 読了 個人的評価:⭐️⭐️⭐️⭐️


作者は1996年に「関ヶ原連判状」を書き上げた時に、「信長燃ゆ」の構想があったようです。そして、前日談「神々に告ぐ」を書き上げた後に、この「信長燃ゆ」を書き上げることができたようです。

阿部氏の戦国三部作、残り2作「神々に告ぐ」「関ヶ原連判状」もいつかは読破したいと思います。特に「神々に告ぐ」は興味がありますね。「松永久秀」やら剣豪将軍「足利義輝」なんか興味深いですね(ってゲームのやり過ぎか……)。


さて、大河ドラマ真田丸」について少々……

現在 4話までしか観てませんが、巷では「真田昌幸」役 の「草刈正雄」が注目されているようですね。物凄く「狡猾な男」をどこか「コミカル」に、そして「スマート」に演じているからですかね。お茶の間の「熟練マダム」を「ハート」をガッチリ「鷲づかみ」してますね。この勢いで「紅白の司会」なんか……あっ、「ディーン五代」の方から人気ありそうですねぇ。


そして難産だった「信長」の後は、大河に合わせて 司馬遼の「風神の門」といきたいところですが……

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こちらも新年にSPドラマが放映された、「吉原裏同心」第3巻「見番」を読みたいと思います。


それではまた、次回。お楽しみに〜。



怪盗探偵山猫

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闇を切り裂く黒い影、その名は、山猫ーー出版社社長が殺された。容疑者は  “山猫”  と呼ばれる謎の窃盗犯。世間をにぎわすこの怪盗の信条は  "人を殺めないこと“  のはずが、一体なぜ ⁉︎    ライターの勝村は事件を追い始めるが・・・・⁉︎    平成のねずみ小僧か、はたまた単なる盗人か ⁉︎   鮮やかに金を盗み、ついでに悪事を暴いて颯爽と消え去る山猫の活躍を描く、痛快ピカレスク・アクション・ミステリー。怪盗界に新たなヒーローが誕生 ‼︎

現在、日テレ系にて絶賛ドラマ放送中の「怪盗探偵山猫」読了してしまいました。だって「信長燃ゆ」よりも絶対的に読み易いんですもの。

こちらは2006年に表題「山猫」として発刊、2010年に「怪盗探偵山猫」に改題されたました。作者は「神永学」、代表作には以前ドラマ・アニメ化された「心霊探偵八雲」があります。その他、シリーズ物がいろいろあるようですね。

ストーリーは、「語り部」的なライターの「勝村」が主人公「山猫」にイジラレながら事件に巻き込まれ、そこにヒロイン「さくら」が絡む……という流れなのですが、ドラマと違って「勝村」と「さくら」の「先輩・後輩」関係が逆設定になってるんです。私の勘繰りによると(今作には登場しない)ドラマ版ヒロイン「魔王=真央」役の「すずちゃん」押し……ということで、ドラマ的には「さくら」を目立たせないようにした……ような気がします。

でも、ヒロイン「さくら」を活用しないのは勿体無い気がしますので、ドラマは無理でも「劇場版」あたりで、「菜々緒」嬢のサイレーン並みの激しいアクションを観てみたいですわぁ。

最後に、今作品は登場人物のキャラは立ってるし、ストーリーも面白いので、スラスラ読めちゃう感じでオススメです。

でも、私自身は本作品でとりあえず止め置くことにいたします。続刊2巻と近日中に最新作も発売されるようですが、シリーズ物は出来ることなら増やしたくないものですのでね。


2016年2月12日 読了 個人的評価:⭐️⭐️⭐️⭐️


もう一方の「信長燃ゆ」も終盤に差し掛かっております。今月はノルマの5冊は達成できそうですね。


そして、次の作品は………

日テレ系ドラマの流れからの……

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有栖川有栖「臨床犯罪学者・火村英生の推理 1」を読みたいと思います。

そういえば日テレ系ドラマ3作品で、「カメオ出演」企画があるようですね。

視聴率では(相棒を除いて)草彅の「スペシャリスト」に続いて日テレ系3作が並んでいるようですね。個人的にも推理・ミステリー系は好きなジャンルなので全作品チェックしてますよ。

おかげで時間がないけどねー。

ではまた、次回。お楽しみにー。

メルカトルかく語りき

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傲岸不遜(ごうがんふそん)で超人的推理力の探偵・メルカトル鮎。教師殺人の容疑者はメフィスト学園の一年生、二十人。全員にアリバイあり、でも犯人はいるーーーのか? 相棒の作家、美袋三条(みなぎさんじょう)は常識破りの解決を立て続けに提示する探偵に“怒り”すら抱く。ミステリーのトリックを嘲笑い自分は完璧とのたまう”銘“探偵の推理が際立つ五篇!

〇んだはずだよ、「お富さん」ではなく「メルカトル」〜 ♪

今回は麻耶雄嵩「メルカトルかく語りき」を(やっとこさ)読了いたしました。この本に辿りつくために「2冊」読みこなしましたからねぇ。その為か、「メルカトル節」に免疫がついたようです、ハッハッハー。

主人公の「メルカトル鮎」は「名」ではなく「銘」が付く探偵。あまりの推理力に「登場した時点で解決」してしまうが故に、登場は「短編」に限られるようです。そして今回も秀逸(と言って良いのか?)な五つの短編で、結末が何やら似通っているものを集めたようです。

完全に「騙されている」ような結末なのにストーリー構成が見事なので、なんかスッキリしたような、しないような〈麻耶(まや)だけにマヤマヤっととした感じ〉の読了感でしたね。

それに、デビュー作で◯亡したはずの主人公なのに、シリーズが続いていくなんて……どうなんでしょうか? まぁ 面白ければオッケーなんですかね。


2016年2月4日 読了 個人的評価:⭐️⭐️⭐️(トリッキーな結末がお望みでしたら+⭐️)


前回 読み終えた「信長燃ゆ」ですが、並行して読んでいる「下巻」は、現在三分の一を過ぎたくらい。面白いのですが、ページが多くてなかなか進みません。まぁ 来週中には読破できるとは思いますがね。

そして、それと並行してのこちら……

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今期 日テレ系ドラマの原作「怪盗探偵 山猫」と「臨床犯罪学者・火村英生の推理」も読破予定です。どちらも続巻があるようですが、今回は「さわり」だけに止めておきたいと思っています。

それではまた、次回。お楽しみに。

信長燃ゆ (上)

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天下布武」ーーー 武力を背景に世を変革してゆく信長は、天正九年、安土を中心に磐石の体制を築いていた。だが、巨大になりすぎた信長の力に、好誼(こうぎ)を結んできた前関白・近衛前久(このえ・さきひさ)らの公家も反感を持ち始める。武家と朝廷に対立に巻き込まれながら信長に惹かれる東宮夫人・勧修寺晴子(かじゅうじ・はれこ)、信長に骨髄の恨みを抱く忍者・風の甚助ら、多彩な人物をまじえ史料に埋もれた陰謀を描く本格歴史小説


新年1月2日にテレビ東京系にて放送した新春時代劇「信長燃ゆ」の原作小説、とりあえず「上巻」読破いたしました。作者の安部龍太郎氏は2013年に直木賞を受賞。私の敬愛する隆慶一郎氏が「最期に会いたかった人物」だったとのこと。初めて作品を読みましたが、個人的には「肌に合う」感じ。機会があれば他の作品も読んでみたいですね。

ストーリーは、梟雄「織田信長」と朝廷を支える「近衛前久」の類い稀なる才能を持つ2人の熾烈なる「駆け引き」に、ヒロインの東宮(今で言うと皇太子妃ですかね)「晴子」と信長のロマンス。そして、愛する者を奪われた復讐鬼「風の甚介」が絡んでくる……という流れです。

上巻のスタートからいきなり「本能寺の変」の結末、その後「回想シーン」的に都での「左義長(ザックリ言えば「どんど焼き」らしい…)」からの、「天正伊賀の乱」、そして、「武田討伐」へ……という感じで「下巻」へとつながります。

印象深い箇所は、「天正伊賀の乱」のくだり。ドラマでは大幅にカットされましたが、伊賀忍者軍はかなり信長軍を苦戦させたようですね。「のぼうの城」の作者、和田竜氏の「忍びの国」で、このことを題材にしているようなので、いつかこちらも読んでみる予定です。

もう一つは、ドラマでは描かれなかった、坂東一の馬乗り「矢代勝介」の娘で、同じく馬の名手「お駒」と前久の嫡男で信長に心酔している「近衛信基」の悲しい恋の結末も印象深いシーンでしたね。


前久が繰り出す「妙案」が信長の「狂気」を誘発するという、まさに「最強の悪循環」。この時代に「近衛前久」という人物がいなければ、もしかすると日本の「天皇制」は終わっていたかもしれませんね。

さて、この後下巻ではどのような流れで「本能寺の変」まで繋がっていくのでしょうか……


2016年1月28日 読了 個人的評価:⭐️⭐️⭐️(歴史物好きなら+⭐️)


「武田討伐」と言えば、2016年の大河ドラマ真田丸」第1話で丁度そのシーンが描かれましたね。次々の重臣に裏切られていく「武田勝頼」が哀れでした。

その真田丸、第1話しか観てませんが、どうしても「リーガルハイ」のイメージが捨てきれない印象。兄貴役の大泉洋の方が「凛々しく」て、果たしてどうなのか?……というのが一般的な感想でしょう。まぁ、大泉氏は「まれ」での「ダメ親父」イメージを払拭できそうなので良いのかもしれませんがね。

どうせならヒロインは「長澤まさみ」じゃなくて「新垣結衣」にしちゃえば良かったのに……なんて思っている今日この頃です。


そして現在、「信長燃ゆ 下巻」と同時に読み進めているのが、こちら……

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麻耶雄嵩「メルカトル かく語りき」です。現在 二章まで読みましたが、相変わらずの「メルカトル節」炸裂です。

1月は欲望に負けて、「絶対手を出さない」と決めていた「スマホゲーム」をダウンロードしてしまったが為に、「4冊」という不甲斐ない読了結果となりました。

スマホゲームも若干落ち着いてきたようなので、次回からは「月5冊」ペースに戻れる……と思います。

それではまた、次回。ごきげんよう。

SOSの猿

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三百億円の損害を出した株の誤発注事件を調べる男と、ひきこもりを悪魔祓いで治そうとする男。奮闘する二人の男のあいだを孫悟空が自在に飛び回り、問いを投げかける。「本当に悪いのは誰?」はてさて、答えを知るのは猿か悪魔か?    面白くて考えさせられる、伊坂エンターテイメントの集大成!

2016年「申年」一発目に読もうと思って購入した作品、伊坂幸太郎「SOSの猿」若干遅れての読了です。「スラスラ」っていうか「スラー」ってな感じで読んじゃいましたね。

この作品は2009年に発刊、2012年に文庫化された、漫画家の「五十嵐大介」氏との競作企画…だそうです。コンセプトは「エクソシスト」と「西遊記」の融合……でしょうかね。

悪魔祓いをする「私の話」と、株誤発注事件を語る「猿の話」が交互に語られ、最後に「融合」する……という流れですね。正直言って「なんじゃこりゃ!」です。細部を思えば「うーん、なるほど」と思う箇所はありますが、全体的には何が何だかわかりません。「あとがき」を読んだら、この時期の伊坂作品は「肩すかしもの」とか「モヤモヤシリーズ」とか言われているみたいです。

(ブログを始める前ですが)今まで読んだ伊坂作品「重力ピエロ」「ラッシュライフ」「ゴールデンスランバー」など「映画化」された作品は(そこそこ)面白かったですが、独特の世界観がありますね。ちょっとズレると今回のような………な感じになるのでしょうかね。


2016年1月12日 読了 個人的評価:⭐️(伊坂好きでも評価が低いみたいです)


伊坂作品は、あのノーベル平和賞候補作家「村上春樹」氏に似てると誰かが言ってましたが、私も「同感」です(とハッキリ言えるほど両者の作品を読んでませんが)。村上作品は「ノルウェーの森」を読んで………でした。次に村上作品を読むときがあるなら、氏がノーベル賞を獲ったときですかね?

まぁ これからも伊坂作品は「読まざるを得ない」状況ですが、どうか「ハズレ」に当たりませんように……。

そして次回は、テレビ東京「新春(ワイドじゃなくなった)時代劇」原作の……

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阿部龍太郎「信長燃ゆ」です。阿部氏の作品は読むのが初めてなので、どんな感じか楽しみです。

それではまた、次回。お楽しみに〜。

風が強く吹いている

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箱根駅伝を走りたいーーーー そんな灰二(はいじ)の想いが、天才ランナー走(かける)と出会って動き出す。「駅伝」って何?  走るってどういうことなんだ!  十人の個性あふれるメンバーが、長距離を走ること(= 生きること)に夢中で突き進む。自分の限界に挑戦し、ゴールを目指して襷を繋ぐことで、仲間と繋がっていく・・・・・・風を感じて、足れ!   「速く」ではなく「強く」ーーーー  純度100パーセントの疾走青春小説。

今回の読了は箱根駅伝をテーマにした、三浦しをん「風が強く吹いている」です。前回の宮部みゆきの代わりにコレを年末に読んだ方が良かったなぁ……て、つくづく思います。さすがは三浦しをん、爽快な物語でした。

2006年発刊後、2009年に文庫化。漫画化・ラジオ・舞台、そして実写映画化された人気作品です。銭湯の帰り道にハイジは「走りの申し子・カケル」と運命的な出会いをする。そしてオンボロアパート「竹青荘(ちくせいそう):通称 アオダケ」に住む住民を巻き込み、無謀にも「箱根駅伝」を目指すと宣言する。バラエティあふれる10人の仲間と箱根駅伝に向けて猛特訓に励むも、前途は多難……。果たして、夢の箱根駅伝に出場できるのか?………という流れでしょうか。

九章からの箱根駅伝の「くだり」からは、250ページ ノンストップで読んじゃいますよ。まるで「実況中継」を観てるみたいに。

特に私の地元「小田原・箱根」の5・6区のあたりは「ほーほー」てな感じで、「えー、選手ってこんなに大変なんだ……」なんて感心したりして。(人数が少ないからかもしれませんが)電車や路線バスを使って「走り終えた選手」や「次の日走る選手」がサポートするなんて、普通に観てたらわかりませんよね。

そして、「恋」やら「友情」やら「感謝」などが入り混じって、最後は感動の「ゴール」が待ってます。

あぁー、やっぱり 正月前に読むんだったなぁ。

2016年1月11日 読了 個人的評価:⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️(来年、箱根駅伝ちゃんと観よう)


私は基本的に「長い時間観ている」という作業が苦手。「駅伝」や「マラソン」などは途中で確実に「寝落ち」です。でも、この作品のおかげで(ちょっとだけ)興味が湧きました。

そして次回は、本来なら2016年の始まりにと思っていた……

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伊坂幸太郎「SOSの猿」です。理由はただ単に「申年」だから……。

ではまた、次回。カミングスーン!