読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ミーハー的 読書日記

読了した本の主観的な感想 あれこれ

世に棲む日日(三)

f:id:K-norita0426:20151001180703j:image

狂躁の季節がきた。長州藩は既に過激派の高杉晋作をすら乗りこえ藩ぐるみで暴走をかさねてゆく。元治元(1864)年七月に、京へ武力乱入し壊滅、八月には英仏米蘭の四カ国艦隊と戦い惨敗・・・・・・そして反動がくる。幕府は長州征伐を決意し、その重圧で藩には佐幕政権が成立する。が、高杉は屈せず、密かに反撃の機会を窺っていた。

今年の夏クールのドラマ・アニメも9月中に観終わって消去できたのは、自分史上 かなり奇跡的なこと。いつもは2、3作観きれずに次のクールに持ち越したりして……っと初っ端から脱線気味ですが、唯一 録画が溜まっているのが大河ドラマ「花燃ゆ」。必死に観てますが、まだ10馬身(話)ほど離されています。そして、それに合わせて司馬遼の「世に棲む日々」も読み進めた次第でございます。

第3巻では、「池田屋事件」「蛤御門の変」「四カ国艦隊による敗戦」、そして「佐幕派」に牛耳られた長州藩を「取り戻す」策を思案する高杉晋作…という流れで次巻へ続きます。

突然ですが、自分個人の「偏った」「幼稚な」「勉強不足」の歴史認識では、「幕末」イコール「坂本龍馬」と「新撰組」なのであり、その他の人物史は「おまけ」のようなものでした。
前巻までの主役・吉田松陰は龍馬に「西洋文化」という意識を芽生えさせた人物。もう一人の主役・高杉晋作は「奇兵隊」を率いて、はたまた「色街」で女遊びをしている変わり者……というイメージでしたが、この作品で、「奇兵隊の隊長をすぐ辞めた」とか「で女をはべらしていたのは身を守るため」だったことを知り、高杉晋作という人物は「いたってまとも」だったんだなぁ…と感心することしかり。

また、長州藩の「二大政党制」のような「特殊な権力体制」も興味を引くところ。長州という藩が日本の最先端の一つであったことは間違いないようですね。大河でも強く描かれていますが、「周布政之助」と「椋梨藤太」の確執は、藩の民(国民)を蔑ろにして足の引っ張り合いに終始している…のは、現在の政党政治に通じるものがありますね。この時(現在もそうですが)、藩(国)の舵取りをするべき人物が手を取り合えば、幕末のあんな悲劇は起きなかったかも……なんて考えますね。現代の政治家も「政治ゲーム」は止めて真剣に「国の行く末」を考えてもらいたいものです。

少し話を戻しますが、今作品中 最も印象深いものが「四カ国艦隊との敗戦交渉」をする高杉晋作のテクニック。ビビって国のある程度は占領されてもおかしくない状況で五分五分に近い条件で収めた裁量はやはり天才的ですね。ほんと現代に甦って「TPP交渉」とか「領土問題」とかお願いしたいです。

そして、作者・司馬遼太郎が作中で指摘している「ヤクニン」という言葉。ペリーと同時期にやってきたロシア人が「日本のヤクニンの責任回避の能力のみが発達した特製に驚嘆した」と記述を残しているらしく、この頃と戦時中、そして「バブルが弾けた」あたりは、この責任のない「ヤクニン」という生き物が数多く発生したように感じます。「危機的状況」になれば発生する生物なのでしょうか?皆さんも「会社の方針」とか「上司の意向」とか言う「生き物」見たことありますよね。責任能力がある人は「切腹」してしまうので責任能力のない「DNA」が数多く生き残ったのかもしれませんね。


2015年10月3日 読了 個人的評価:⭐️⭐️⭐︎⭐️


そして大河ドラマの感想ですが…

正直 観るのに気がひける…と思っちゃいました。真の主人公・文に感情移入が出来ない視聴者も多いのでは。現在、文が奥女中になる…第29話まで観ましたが、内容は小公女セーラのよう。テンション下がりまくりです(テーマの本質上しょうがないのですが…)

視聴率を狙うなら男性主人公をもっと「身勝手に描き」小公女セーラ色を強めればもしかしたら……でも、朝ドラ「純と愛」で失敗してるから、なんとも言えないなぁ。

そしてNHKつながりで「まれ」も大円団でフィナーレ。「食材を大事にしない」だの「避妊はどうした」など、終盤に(もろ言いがかりな)批判もありましたが、個人的には大変「元気」をもらった作品でした。「大企業で安定」思考の世の中に「パティシエ」やら「塩田」やらで風穴を空けてくれました。「自己破産」しても「夜逃げ」しても「やりたいことがやれなく」なっても「双子ができても」しっかりと自分の人生を歩いていく「まれ」やその周りの人々が 今後の「暮らしの在り方」のベクトルを変えてくれればいいなぁ。若者がどんどん第一次産業で働くこと…(もちろん我々も頑張りますが)そんな世の中になれば面白いなぁ…なんて思います。


さて、次はついに…

f:id:K-norita0426:20151004185104j:image
最終巻です。高杉晋作の活躍はどこまで描かれるのでしょうか。


それではまた、次回。