陰の季節
警察一家の要となる人事担当の二渡(ふたわたり)真治は、天下り先ポストに固執する大物OBの説得にあたる。にべもなく撥ねつけされた二渡が周囲を探るうち、ある未解決事件が浮かび上がってきた・・・・・。「まったく新しい警察小説の誕生!」と選考委員会の激賞を浴びた第5回松本清張賞受賞作を表題とするD県警シリーズ第一弾。解説・北上次郎
映画「64」公開に因んで、名作「陰の季節」を再読致しました。この作品は1998年初出、2001年に文庫化、「松本清張賞」受賞の作者「横山秀夫」の代表作です。(ちなみに私は「第三の時効」の方が好きですけど)
この作品を初めて読んだのは2003年頃でしょうか。読んだ時に「衝撃」が走ったことを今でも覚えています。これまでの「犯人を追う」警察(刑事)物と異なり、「管理部門」を主役にするなんて考えもしませんでした。まぁ 今では珍しくもないようですがね。
4つの短編からなる今作品ですが、「エース・二渡」が主役なのは表題作のみで、あとの3編は「監察課」「警務課」「秘書課」のそれぞれの主人公が内部事件の対応に追われる……という流れ。表題作では「オロオロ」しっぱなしの「エース」ですが、他のストーリーでは「クールなキレ者」という立ち位置で、格好良さ満点です。
はっきり言って、初読ほどの感動……はありませんでしたが、深い人間心理を感じさせるストーリーは秀逸。「64」まで続く「D県警シリーズ」の始まりとして、他作品でも登場する「伝説の刑事・尾坂部」や、「似顔絵婦警・平野瑞穂」などなど……登場人物の繋がりも気になるところ。他の「D県警」も再読したいと思っちゃいました。
2016年5月24日 読了 個人的評価:⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
この作品は2000年放送の「上川隆也」版や先日の2016年4月放送の「仲村トオル」版など、何度もドラマ化されているんですが、原作が「短編集」ということでストーリーがかなりアレンジされているようです。CSでたまに放送しているので、今度 チェックしてみたいと思います。
それと、2003年に主演「仲間由紀恵」で放映されたドラマ「顔」も、もう一度見てみたいですね〜。「ファミリー劇場」あたりで放送しないかなぁ。
さて、次回は………、
戻りまして、富樫倫太郎「生活安全課0係シリーズ」第3弾「バタフライ」です。
表題の「バタフライ」とは………?
最近めっきり読書ペースが落ちています。このままだと前年より10冊ほどペースダウンする予感が。
まぁ、考えず「マイペース」でいきましょい!
それでは、また次回。お楽しみに〜。