鴨川食堂
鴨川流と娘のこいし、トラ猫のひるねが京都・東本願寺近くで営む食堂には看板がない。店に辿り着く手掛かりはただひとつ、料理雑誌『料理春秋』に掲載される〈鴨川食堂・鴨川探偵事務所ーーー"食"捜します〉の一行広告のみ。
縁あって辿り着いた客は、もう一度食べてみたいものに出会えるという。夫の揚げていたとんかつを再現したいという女性、実母のつくってくれた肉じゃがをもう一度食べたいという青年など、人生の岐路に立つ人々が今日も鴨川食堂の扉を叩く。寂しさも辛さも吹き飛ばす、美味しい六皿をご用意しました。京都のカリスマ案内人、初の小説!
今年の1月にNHKBSにてドラマ化された「鴨川食堂」の原作小説、多少時間がかかっての読了でした。(録画をしていた)ドラマを見ながらの読破だったのですが、ドラマと原作の話の順序が異なるのでちょっと読み進めるのに難儀致しました。
物語は、京都にある「もう一度食べたい"食"を捜して食べさせてくれる"探偵 兼 食堂"」の話。依頼人本人が「忘れてしまった」もしくは「わからない」"食"を探し出して再現する……なんて、絶対「ムリ」ですよねぇ。私なら絶対に「キレます」よ。
この第1作ではドラマの「第1話から4話」と「6話」の原作が収録されており、「第5話」と「第7・8話」は第2作「鴨川食堂 おかわり」に収録されています。
先日、鎌倉観光の際にこの本の「鍋焼きうどん」のくだりを読んでいたら、無性に「うどん」が食べたくなり(結果的には蕎麦にしましたが…)、ある日は「鯖寿司」のくだりに影響されて仕事帰りに「鯖寿司」を捜して買って帰ったり……と、かなり「影響力」がある作品なので「空腹時」の購読には「注意が必要」です。
個人的にはドラマ化されていない「鯖寿司」の話が好きですね。ただ単に「鯖好き」なだけなんですけど。
あとは、ドラマの本筋だった「流の過去」のくだりは本作では語られていません。第2作以降からなのでしょうか……、気になるところです。
2015年4月21日 読了 個人的評価:⭐️⭐️⭐︎⭐︎
ドラマの主演だった「ショーケン」「忽那汐里」も違和感のないキャスティングだったと思います。あとは「ひるね」の名演技(?)も光ってましたねぇ。それと、話数が進むにつれて、季節が移ってゆく「京都の風景」も圧巻でしたね。
もう少しドラマの感想を語りたいところですが……、
第2作「鴨川食堂 おかわり」の読了後にしたいと思います。
早いもので、巷は「ゴールデンウィーク」に突入ですね。もう一年の「3分の1」が過ぎてしまいました。
それでは、また次回。お楽しみに。