メルカトルと美袋のための殺人
前回の「翼ある闇」で消化不良だった「メルカトル」。最新作「メルカトルかく語りき」を読み前にもう少しデータを入れるため、今回の短編集「メルカトルと美袋(みなぎ)のための殺人」を読了いたしました。
「名」ではなく「銘」と冠された「メルカトル鮎」は、登場した瞬間に事件の謎を解いてしまう為、長編作品には向かない探偵です。そして解決の方法も……若干、いや大幅に問題あり……なんです。まぁ こういう流れがミステリーの醍醐味なのかもしれませんがね。
ワトスン役の「美袋」が事件に巻き込まれ、ホームズ役「メルカトル」登場の後、即事件解決の図式。読み手の意表を突いた結末は見事。
ですが……爽快感、は……どうなんでしょうかね?個人的には警察小説的「ミステリー」の方が好みですねぇ。
2015年12月17日 読了 個人的評価:⭐️⭐️⭐️(ミステリーとしての完成度は高いと思いますが、メルカトルの性格がねぇ……)
麻耶雄嵩の作品はミステリーマニア度が高い程に楽しめる作品のようですね。物語の細部に名作ミステリーへの「パロディ」やら「オマージュ」やらが散りばめられている……ようですが、勉強不足の私ではちょっと難しい感じは否めませんね。
そして、次回はようやく最新作の「メルカトル……」と思ったのですが……
意表をついて宮部みゆき「小暮写眞館(上下)」を読みたいと思います。理由はドラマの再放送を観たからなんですがね。
多分、この上下巻で年内のブログ更新は最終になると思います。
それではまた次回。お楽しみに。