ミーハー的 読書日記

読了した本の主観的な感想 あれこれ

氷 舞 新宿鮫 Ⅵ

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西新宿のホテルで元CIAのアメリカ人が殺された。事件の鍵を握る平出(ひらいで)組の前岡に迫る鮫島。しかし、なぜか公安警察が立ちはだかった。その背後には元公安秘密刑事・立花の影がーー。
捜査の過程で鮫島は、美しく孤独な女・杉田江見里と出逢い、惹かれていく・・・・・。彼女と事件の関わりが浮上する中、鮫島は"核心"に挑む。興奮と感動の傑作シリーズ第6弾。

先月中に読みきれなかった「新宿鮫シリーズ」第6弾 「氷舞(こおりまい)」。
題名は、「薄く張った氷の上で舞う」ような危うい状態に置かれた「鮫島」を表現しているのでしょうか。

毎回 趣向を変えるこのシリーズですが、物語は突然の「演劇」の舞台シーンから始まります。これが後に「鮫島」を劇的な運命の渦に巻き込むことになるとは誰もわからないでしょう。
そして、西新宿で起こった殺人事件の被害者が「元CIA」であり、麻薬絡みの暴力団の犯行と思われる中、見え隠れする「元公安総務」の男。その男の背後にある「大物政治家」の影。

「影の圧力」を予測しながら、鮫島はクレバーに、そして確実に「真実への道」を進んで行きます。まさに「静かにターゲットに近づいていく鮫」ですね。

途中、中盤で強烈な反撃に合い、死にそうになったり、メジャーになっていく「晶」との微妙な関係になった鮫島に「運命の美女」が現れ、急速に「恋」に落ちたりと、今回はかなりピンチの鮫島です。

鮫島の「精神的な浮気」と、ライバル(と勝ってに思っている)公安外事の「香田」との奇跡のコラボが、この物語の一番のポイントになっていると思います。まさに、「香田」やるじゃん!…って感じですね。

2015年7月3日 読了 個人的評価:⭐️⭐️⭐️⭐️☆


そして、今回 ちょい出だった「仙田」。最大の敵と思われるこの男と鮫島が、どうやって対決していくのかが今後のシリーズ展開の肝でしょうかね。
それと「晶」との関係も気になりますね。やっぱりサヨナラしちゃうのかなぁ。

そして次作は、第7弾…
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「灰 夜(はいや)」。こちらは若干スピンオフ的なストーリーのようです。鮫島の生き方を決定づけた、友人「宮本」の残した「遺書」についての詳細が語られるのでしょうか。


それでは、また次回。