ミーハー的 読書日記

読了した本の主観的な感想 あれこれ

無間人形 新宿鮫 Ⅳ

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新宿の若者たちの間で、舐めるだけで効く「新型覚せい剤(アイスキャンディ)」が流行り出した。薬(シャブ)を激しく憎む新宿署刑事・鮫島は、執拗に密売ルートを追う。財閥・香川家の昇・進兄弟の野望、薬(シャブ)の独占を狙う藤野組・角(すみ)の策略、麻薬取締官の露骨な妨害、そして、恋人・晶(しょう)は昇の手に・・・・・。

集中読破 新宿鮫シリーズ 第4弾「無間人形」読了です。やぁー570Pはハンパないですね。文庫本2冊分の読み応えがありました。

この作品は1993年に発表、その年に第110回直木賞を受賞。1994年にノベルス、2000年に文庫化されました。

今回もまた前の作品らと違ったタッチ、主人公よりも香川兄弟や晶の友人「耕二」の視点から、多くの物語が語られています。

シャブ売買を追う鮫島は、麻取との確執に悩まされながらも、まさに「鮫」のように静かに、そして確実に獲物(犯人)に近づいていきます。そして、最後には上司 桃井や麻取の面々の協力を得て、恋人 晶を危機から救う場面は「手に汗握る」展開でしたね。多ページにもかかわらず、中だるみなく読み進められました。

表題の「無間」とは「無間地獄」の意味で、大罪を犯したものが落ちる、最下層の地獄のこと。その「無間」に落ちた「人形」とは、アイスキャンディの虜になった弟「進」と、大財閥の家系に生まれたが為に、最愛の女を手に入れられなかった 兄「昇」の一族への憎しみ…のことなのでしょうか。

さすが直木賞 受賞作ですね。これまでの3作よりも密度が濃く、ストーリーのバランスもワンランク上の作品でした。

2015年5月31日 読了 個人的評価:⭐️⭐️⭐️⭐️☆


また、こちらも1995年に館ひろし主演にてNHKでドラマ化されています。キャストは「草刈正雄」「多岐川裕美」「香川照之」など豪華な面々です。
また、近日 CS放送で映画「新宿鮫 〜眠らない街〜」が放送されるようなので、チェックしてみたいと思います。(2015年6月現在)

さて、次巻は…
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第5弾 「炎蛹(ほのおさなぎ)」。Amazonで中古購入。カバーが旧バージョンに戻っちゃいました。
今月はあと2冊は読み終えたいですね。


では、また次回。