ヴァン・ショーをあなたに
「いい仕事がしたいんです!」と今クールのドラマの主人公が言ってました。
私も本当に「いい仕事」がしたいと思ってます。
賃金や待遇などに左右されない「いい仕事」…
ホント、日本って「利益主義」というか、経営者は利益追求する事が企業の目的だと本気で思ってますね。
本来は「利益」というのは経営状況を指し示す「指針」であって「目的」ではない…と神様「ドラッカー」もおっしゃっていますよ。「マネジメント」熟読してもらいたいですね。
そんな「いい仕事」って、こんなお店があったら出来るかも…と思うのが、この「ビストロ・パ・マル」のシリーズ。
今回 読了したのは第2弾「ヴァン・ショーをあなたに」。久々に新刊購入しました。
裏表紙に内容の紹介があったのでそのまま記載。
下町のフレンチレストラン、ビストロ・パ・マル。フランスの田舎で修行した変人シェフの三舟さんは、実は客たちの持ち込む不可解な謎をあざやかに解く名探偵。田上家のスキレットはなぜすぐ錆びる? ブイヤベース・ファンの女性客の正体は? ミリアムおばさんが夢のように美味しいヴァン・ショーを作らなくなったわけは? シェフの修行時代も知ることができる魅惑の一冊。
今回の短編の中で個人的に好きなのは「ブーランジェリーのメロンパン」。この話の謎に隠された「お互いを思いやる優しさ」がじわじわと心にここちよい余韻をもたらしてくれます。
あとは、「マドモワゼル・ブイヤベース」も、変人シェフの隠された恋心?がちょっと切なくて妙に惹かれるストーリーですね。
そして「憂さばらしのピストゥー」では、料理人の矜持を語る三舟シェフがカッコイイ。飲食に携わる者は全員 こうあるべきだと痛感させられました。
もちろん、タイトルの「ヴァン・ショーをあなたに」も秀逸なお話ですよ。
最後に、あとがきでも触れられていますが、「みをつくし料理帖」と同じく「料理の描写」が絶妙。必要最小限の表現で、少々専門知識を知らなくても大丈夫。登場する料理の「その瞬間の美味しさ」が見事に読み手にしっかり伝わってきて、もう腹が減って困っちゃいますね。
美味しいブイヤベースが食べたいなー!
ともかく、このシリーズ。飲食業界の人間に活力を与えてくれるストーリーだと思います。
仕事で心が折れそうな時は、この物語に癒されてみてはいかがでしょうか?
それでは、また。