ミーハー的 読書日記

読了した本の主観的な感想 あれこれ

花と火の帝(下)

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2014年もそろそろ終わろうとしていますね。

今回は前回からの続き、隆慶一郎「花と火の帝 下巻」読了です。いやぁ 難産でしたね。

上巻では柳生の刺客から佐助と才蔵は辛くも難を逃れたところで終わりましたが、下巻では、次々と放たれる将軍 秀忠からの刺客たちを、天皇の隠密 岩介はその術と知恵で、悉く跳ね返していきます。

風魔忍郡の「林又一郎」、はぐれ呪禁師「東伯」、印度人の兄弟子「真人」をも味方に引き入れ、中国人の暗殺者「白玄理」との死闘とそれを保護する「イスマイル」の登場の場面で残念ながら作者急逝のため未完となっています。

徳川秀忠が将軍を家光に譲って大御所になったのが元和9年(1623年)、水之尾天皇が譲位されたのが二年後の寛永2年(1625年)。このあたりで物語は終わっているのですが、その7年後の寛永9年(1632年)に秀忠は死去。その二年後の 寛永11年(1634年)には将軍 家光は上皇院政を認めている。

たぶん 作者が存命だった場合は秀忠が死去するまで物語が続くのではないかと想像してしまいます。

後水尾天皇のご落胤が主人公のデビュー作「吉原御免状」シリーズ、そして代表作「影武者 徳川家康」、そしてこの「花と火の帝」をコラボさせた歴史物ドラマをどこかの局で作ってくれないかなぁ なんて想像してしまいますね。

2014年12月30日 読了  個人的評価:⭐️⭐️⭐︎☆☆

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でもこの作品、実は盗作疑惑がある作品なんですよね。

でも、やはり隆慶一郎作品に登場する「漢(おとこ)」たちは日本人の男子が憧れてしまう、いい「漢」ばかりですよね。前田慶次島左近なんかはもう最高です。

これで隆慶一郎作品の長編は「捨て童子・松平忠輝」と「死ぬことと見つけたり(これも未完)」の二作品。まぁ ボチボチと読んでいきましょう。

では、また。