御子神典膳
今回は時代小説、それも「スーパー」とか「ネオ」とかの冠がつくような作品「御子神典膳」です。作者・月村了衛(つきむら りょうえ)氏は元脚本家。かの有名な「ミスター味っ子」のアニメでデビュー。その後、2010年発表の、SFと警察小説を融合した「機龍警察」で小説家デビューを飾りました。
この作品は「一刀流無想剣 斬」として発刊されたものを文庫化の際、原題の「御子神典膳」に戻したそうです。なぜ 戻したのかは…読了後にわかると思いますよ。
御子神典膳は実在の人物。柳生新陰流と並び将軍家指南役となった一刀流「小野忠明」の前名なのです。物語は指南役となる前の話で、謀反により城を追われた「姫」とその小姓を守護して旅をする…という流れです。
そして お約束の謀反を起こした「悪役」や手強い「ライバル」達が登場することでストーリーは盛り上がって行きます。途中、大怪我を負う主人公の「くだり」は若干「退屈」感がありましたが、私の大好きな「隆慶一郎」や「山風」的な「バトル」はワクワクしましたよ。
個人的にはもう少し「強敵とのバトルシーン」が欲しかったところですが、ラストの「大ドンデン返し」は見事……というか「呆気」にとられますたねぇ。ほんと「びっくりぽん」ですわ。
2015年12月4日 読了 個人的評価:⭐️⭐️⭐️⭐️
「月村了衛」作品は今後も読破していきたいと思います。代表作「機龍警察シリーズ」3作目「暗黒市場」もそろそろ文庫化だと思いますので、そのタイミングで読了しましょう。それと、以前読んだ「機忍兵零牙」も再読してレビュー仕直します。
この「御子神典膳」、1作品で終わらせるには「キャラ」があまりにも立っているので、是非とも「映像化」を検討していただきたいですね。
主人公・御子神典膳 = 西島秀俊
澪姫 = 土屋太鳳
小姓 = 鈴木福
白木蔵人 = 藤木直人(←「人」繋がり?)
ラスボス・龍田織部介 = 吉田鋼太郎………なんていかがでしょうか。
あと、「チャオ!」の長谷川博己でもいいかも。(ラスボスか左京次あたり)
この面子ならTBSですかねぇ。本当に実現したら嬉しいなぁ。
さて、次回は「ミステリー」で………
麻耶雄嵩「メルカトルと美袋(みなぎ)のための殺人」です。前回の「闇ある翼」ではあまりにも「メルカトル」感が無かったので、もう1作品読むことにします。
2016年も残すところ半月。目標読了数まであと6冊。はたして……
それではまた次回。ごきげんよう。
オレたち花のバブル組
「バブル入社組」世代の苦悩と闘いを鮮やかに描く。巨額損失を出した一族経営の老舗ホテルの再建を押し付けられた、東京中央銀行の半沢直樹。会社内の見えざる敵の暗躍、金融庁の「最強のボスキャラ」との対決、出向先での執拗ないじめ。四面楚歌の状況で、絶対に負けられない男達の一発逆転はあるのか?
前作より4年後の2008年に刊行、2010年文庫化されたシリーズ第2弾「オレたち花のバブル組」。ストーリーは、よりスリリングに、よりドラマティックに、そして「倍返し」度もよりパワーアップしております。
なぜ、主人公「半沢直樹」は困難な課題にぶち当たるのか?
それは「半沢直樹」が「自分の利益のため」ではなく「人(顧客)の利益のため」に行動できる男であるからだと思います。「助けを求めている者」を救い、「敵対する者」からの謀略を「倍返し」する主人公の痛快な活躍は胸をスーっとさせてくれます。「勧善懲悪」ってベタですけどやっぱり面白い。
「長い者には巻かれろ」がセオリーの昨今ですが、「原則」に基づいて「他人の為」に行動してこそ、本当の「結果」を出せるのではないでしょうかね。
でも、現実で「倍返し」すると「思わぬ報復」をうけるかも。正論がまかり通らない「世知辛い」世の中ですなぁ、まったく困ったもんですわ。
2015年12月4日 読了 個人的評価:⭐️⭐️⭐️⭐️
大ヒットした2013年から早いもので、2年の歳月が過ぎました。はたして続編はいつになることでしょうかねぇ。
さて、シリーズ二作の再読が完了したので、満を持して…
シリーズ第3弾「ロスジェネの逆襲」に進みます、というか、実はもうすぐ読み終わりそうなのですが…。こちらも前二作に負けず劣らず面白いこと間違いなしです。
さすが12月。仕事もそこそこ忙しく、仕事中にブログ更新できずにいます。(←それって普通じゃね)
2016年も残り20日をきりました。年賀状やら大掃除やら、観てない録画を観て消したり(これが一番大変)大忙しの毎日。
読了予定数は、あと5冊。はたして読み終えることが出来るでしょうか?
ではまた、次回。
キマイラ 11 明王変
キマイラの歴史と伝説が明らかに!
大鳳吼と久鬼麗一のキマイラ化を抑えるべく奔走する真壁雲斎。亜室健之から聞いた恐るべき秘密を九十九三蔵に語り始める。
一方、スチュワート・ボックに拉致された織部深雪を助けるべく単身戦いを挑んだ菊地良二は、ボックの仲間と思われる久鬼にそっくりな謎の少年と対峙するが・・・・・・。
キマイラをめぐる血ぬられた歴史と伝説が明らかになる、奇想天外の第11巻!
予想した1年を1ヶ月オーバーでの刊行「キマイラ 11 明王変」。やっぱり1日で、いや正味3時間で読み終わっちゃいましたよ。
前巻で盛り上がった興奮が、今回で見事に「沈静化」。レベル1になっちゃいました。
だって、また「昔話モード」になっちゃってるんですもの。なんか「魔獣狩り」と同じ展開になりそうな予感が……。「金犬四郎」みたいな「美少年」とか登場したりして…。
ハッキリ言うと「キマイラ化」の歴史や伝説よりも、今現在の「キマイラ化」に苦悩する人々と「キマイラ化」を手に入れようとする勢力のぶつかり合いが見たいのですよ。
あとは、勢力図のバランスがちょっと崩れているかも…。敵は「ボック」チームだけで、あとは全部「味方」ぽくなっているような気がしますけど…
本当は「今後の展開予想」をズラズラ書きたいところですが……やめときます。
でも次回も「昔話」モードだったら書いちゃおうかなぁ…
次回は是非 「ボック」の前に「龍王院弘」を立たせてくださいな。
頼んだぜ!、獏先生。
2014年10月24日 読了 個人的評価:⭐️⭐️⭐︎(内容が物足りないよう!)
キマイラもそうだが「新餓狼伝」もいい加減 新刊出していただきたい。あとは「天帝の剣」と「獅子の門」の文庫化も待ってます。
「陰陽師」シリーズも最近のは読んでないので、最初から読み直ししなきゃ…ですかねぇ。
そして、次回は……
「半沢直樹シリーズ」に戻ります。ホテルの借金がなんちゃらで、偉い上司が「土下座」する話だったけかね。ちゃっちゃと読み終わって未読の3作目に突入したいです。
それではまた、次回。
翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件
首なし死体、密室、蘇る死者、見立て殺人・・・・・・。京都近郊に建つヨーロッパ中世の古城と見紛うばかりの館・蒼鴉城(そうあじょう)を「私」が訪れた時、惨劇はすでに始まっていた。二人の名探偵の火花散る対決の行方は。そして迎える壮絶な結末。島田荘司、綾辻行人、法月綸太郎、三氏の圧倒的賛辞を受けた著者のデビュー作。
1991年 刊行、2012年文庫化の「麻耶雄嵩(まやゆたか)・翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件」読了です。いやぁ 思えば久しぶりのミステリーでした。小学生の頃は「江戸川乱歩」、中学では「横溝正史」(角川映画の金田一シリーズがブームでした)、高校では「アガサ・クリスティ」を制覇しようと、第1作から読み始めるのですが…いつも挫折。最高で8作品くらいが限界でしたねぇ。しかも内容はほとんど覚えないときたもんだ…。多分 そこまで「探偵物」が好きじゃないんですよね、きっと。そういえば、ここ最近は「刑事物・警察物」を好んで読んでいるような…。まぁ「探偵物」も読み始めると「そこそこ」ハマりますね。
現在のミステリー作家・三氏が絶賛しているように、素人目でみても「全くデビュー作」とは思えません。あとがきの言葉を借りれば「連続で投げられる感覚」とでも言いましょうか…序盤を過ぎれば「坂を転げ落ちる」ように読み終わってしまうと思います。
「香月」の視点でストーリーは展開します(これが若干 反則技 なんですがね)。中盤以降の「名探偵・木更津悠也」と題名の「メルカトル鮎」との「火花散る」推理対決。そして、衝撃的な「ラストシーン」は、マジで「!(◎_◎;)」な結末になってます。
日本探偵小説史上「三大奇書」「三大アンチミステリー」の一つである小栗虫太郎・黒死館殺人事件の「オマージュ」らしく、随所に「そのパロディ」が登場しているようですが、(未読なもので)全く分かりませんでした。あとは「エラリー・クイーン」なんかも読んでないと本当の意味で楽しめないようです。
この作品は最新刊「メルカトル鮎 かく語りき」を読む為の準備で読了したのですが、はっきり言って全然準備になりませんでした。だって「メルカトル」が◯◯しちゃうんですよ、全く。
なので、もう一冊「メルカトル鮎」関係を読む事になりそうです。やれやれ…
2015年11月24日 読了 個人的評価:⭐️⭐️⭐️⭐️(読む価値はあります…読む余裕がある方は)
旅先で、しょうがなく新刊を購入。最近注目している作家・月村了衛の「御子神典膳」をチョイス。
序盤まで読みましたが、もう「オレ好み」の作風です。のめり込むとすぐに読了しそうなので「じっくり」読み進めたいと思います。
それではまた、次回。お楽しみに。
オレたちバブル入行組
大手銀行にバブル期に入行して、今は大阪西支店融資課長の半沢。支店長命令で無理に融資の承認を取り付けた会社が倒産した。すべての責任を押しつけようと暗躍する支店長。四面楚歌の半沢には債権回収しかない。夢多かりし新人時代は去り、気がつけば辛い中間管理職。そんな時代へのエールを送る痛快エンタメ。
池井戸潤・半沢直樹シリーズ第3作目「ロスジェネの逆襲」が今年 文庫化されたので、前2作を再読しようかと思いました…が、いざ読むとなると…正直言って全く読む気になりません。騙し騙し読み進めていくと、昔見たドラマのシーンが浮かんできて…気がつけば「あっという間に」読了してました。
再読して感じたことは「花咲舞」原作小説たちよりも、銀行員(サラリーマンもですかね)の職場環境の切なさが強烈な文章で描かれているなぁ…と思いました。主人公・半沢の「倍返し」シーンは、怖いくらいに「痛快」。悲哀ある会社員なら一度は「こんな風にやり返したい!」で思ったことありますよね。
あとは、前回読んだ時に感じた半沢の妻・花の描写。ドラマでは「いい女房」に見えましたが、小説では「できればぶん殴りたい」ようなキツイ妻なんですよね。ドラマ版の妻の方が ストーリーが華やかになるような気がしますね。上戸彩ファンだからかもしれませんがね。
別冊 図書館戦争 Ⅱ 図書館戦争シリーズ⑥
今更ですが、私は2つの違った小説を同時に読み進めています…といっても、2冊並べて…ではなく(当たり前やろ!)章で区切って読み進め、調子が出てきたらば一気に最後まで読破…てことです。この方法だと、「読みたい気持ち」がリセットされてスピードが落ちないのです。
前作「別冊 Ⅰ(ファースト)」で主人公2人のエンディングは描かれたのですが、今作「別冊 図書館戦争 Ⅱ(セカンド)」では、意外なサブキャラクターのエピソードと、もう一つの懸案事項のエンディングが描かれています。勿論 前作に負けず劣らずの仕上がりになっておりますよ。
最初は、豪快な「玄田隊長」の陰でサポートしている「副隊長・緒方」をピックアップ。「若き日の恋バナ」や「スナイパー・進藤」との確執などなど……本編とは違う「味のある2人」が楽しめます。
そして、中盤から後半にかけては「懸案事項の2人」が「意外な進展」を経て、「グググゥー」っと……なるのですが、これは作品を実際に読んで感じた方がいいと思うので…悪しからず。
中盤以降に起きる「事件」は「図書館戦争シリーズ」の中で、最も「忌まわしい事件」と呼べるものでしたが、そのお陰で、その流れを「完全払拭」するラストエピソードが描かれたのは、「作者の旦那さん」の功績だと、あとがきに書かれています。旦那さん、グッジョブ!
最後に、あと10年後くらいに再度の「映像化」を希望します。今度は「連ドラ」で、キャラクター重視にてお願い致します。
別冊 図書館戦争 Ⅰ 図書館戦争シリーズ⑤
ストーリーは第4巻「革命」後のエピソードを「堂上・郁」をメインに展開。「万引き」あり「逢いびき」あり「虐待」あり…と、いろいろな事件が巻き起こる中、二人のドラマが「月9」的に展開していきます。まぁ 本当に「甘々」ですわ。「女子的」には「あるある」なんでしょうか? もしかして、「そんなことねーよ!」だったら、男子どもは…大幅な作戦変更が必要だと思います。(なんの作戦⁉︎)
あとがきによると、本来はもう少し間を空ける予定をアニメ化に合わせて早々の刊行となったらしいですね。あとは、冠の「別冊」は少女漫画誌の「別冊 花とゆめ」とか「別冊 マーガレット」とかの「別冊」らしいのだが、我輩はそこまでの「フリーク」ではないので「なんとなくわかる」的ニュアンスでしか理解できていません(誰か教えて?)。そして、作者は執拗に「無理だと思ったら方は回避ヨロ」と連呼していますので、「こんな軟弱小説 読めるかー!」という九州男児(限定か⁉︎)とその他諸々の人達は止めておいた方がいいかも…
ということは、「ベタ甘LOVE」な人は本編よりもハマること間違いなし…ですので、本編は確実に読破しているのが必須条件ですけどね。
あっ、関係ないかも…ですけど「スピンオフ」と「スピンアウト」の違いをググってみると、「オフ」は本編から純粋に派生したモノ。「アウト」は別展開、作者やメディアが変わること…らしいです。あしからず。
2015年11月月11日 読了 個人的評価:⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
そしてついに、現在公開中の…、
「図書館戦争 THE LAST MISSON」を観ることができました。今年の邦画一番ヒットになるんじゃないでしょうか。
感想としては、かなりいい感じだと思います。娘も絶賛してましたし。
あえて不満を言えば、戦争シーンが長く感じること(でも短かったら図書館戦争じゃなくなるか?)と、ラストのキスシーンかな。もう少し「やり逃げ」風を強調できれば最高でしたね。(やり逃げという表現に問題あり?)
そして物語はラストの…
「別冊 図書館戦争 Ⅱ」でフィナーレ。現在 序盤を読んでますが、サブキャラが◯◯な展開…とか、まだまだ楽しませてくれそうです。
それに比べて「半沢直樹シリーズ」の再読はあまり気が進まず…
という感じで、次回、お楽しみに。